回想。


レイクタウンK様邸、来月竣工予定。
足場がとれてすっきりん。
引渡しに向けて現場は
バタバタとあわただしくなります。



建築業界に足を踏み入れたばかりの20代の頃。
先輩設計士に
「とにかく現場に行きなさい、現場をみなさい。
図面だけではわからないことがたくさんあるから」
と言われ、しぶしぶ現場に行ったものです。

当時、建築現場にほとんど女性の姿はなく
まだ若い私は自意識過剰だったから
じろじろ見られたりするのが
イヤでイヤでたまらなかったし
職人さんはイカつくてコワイし
「現場に行く」と会社を出て
車で時間をつぶしたことも数知れず(笑)

大工さんに何か聞かれても
尺で話されるとすぐ??になってしまう。
休憩時間に職人さん達が話す言葉は
まるで外国語のようでさっぱりわからない。
ただぼーっとしているわけにもいかず
ホウキもってウロウロと掃き掃除するのが精一杯で
孤独感と、恥ずかしさで
もーやだやめたいと何度も思ったものです。

でもある日。
本当にある日。
まるでスピードラーニングみたいに
まったく意味がわからなかったことが
少しづつわかるようになってきた。
あーそういう意味だったのか、とか
図面のここはこうなってるんだ、とか
職人さんの言ってたのはこういうことか、とか
ひとつ分かると次につながる。
イモヅル式にいろんなことが理解できてく。
分からなかった問題がひとつずつ解けていくようで
そしたらだんだん現場に行くのが面白くなった。


歳を重ねて今では
すっかりずうずうしくなったので
えええーここ違くない?とか
ここはこういう風に納めたいんだけどーとか
職人さんに言えるようになったけど
まだまだ現場では発見することがたーくさんある。
そんな時は
ホウキ片手にいやいや現場に通ったあの頃を
ふと思い出したりするのです。