さくらの頃。



次女うらんが学校で描いたさくらの絵が
埼玉郷土を描く児童美術展に出品された。
はらはら舞うさくらの花びらと
1輪の桜の花をかざす自分の手。
大胆で、とってもいい構図だった。



娘がまだ生まれたばかりで
ほんのりおっぱいの匂いがする頃に見た初めてのさくら。
私の腕の中で首をそらすようにして
いちまい、いちまい、桜の花びらを目で追っていた。

その次の年からは
小さな靴をはいて、小さな手をいっぱいに広げて
ひらひら舞う桜の花びらをつかまえようと走ってた。
桜が満開の時はしらんぷりなのに
桜吹雪の頃になると
お花の公園に行こうよ、とせがんで
うれしそうに空を見上げて花びらを追って走ってた。

ほとんどの子供達の絵が
校庭に咲く幹いっぱいの満開の桜の木の風景を描いていた。
だけど娘の絵には
1輪のさくらを青空にかざす自分の手と
はらはら舞うピンクの花びらだけが描かれていた。


毎年
彼女の目に映り行くさくらの風景は
こんなふうだったんだ、と初めて知った。

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