カーテン。


“いままでいちばんつらかったことはなんですか?”
と聞かれたらなんと答えますか?


私がいままでいちばんつらかったのは
次女を出産後、見事に陥った「産後のうつ」。
出産後、ホルモンバランスの崩れからおこるうつ病の一種。
マタニティーブルーの重症化したやつ。
あれは、ほんとーにつらかった。


産後3ヶ月を過ぎた頃
ふと気づいたら
何を食べて味がしない。
ごはんやパンの炭水化物は粘土を噛んでいる感じ。
肉や魚はゴムみたいで、何度咀嚼しても飲み込めない。
体重はみるみる減り、産前よりー5キロ。
お決まりのように夜はまったく眠れない。
心臓がずっとばくばくして、呼吸が苦しい。
根拠のない不安感で胸がしめつけられる感じと
喉の奥に何か詰まっているような違和感がとれない。

これはなんだろう、
私、どうしたんだろう、
と思っているうちに
とうとう起き上がるのさえつらい状態に。
それでも
長女はうぎゃうぎゃと手がかかる3歳児。
新生児の次女は哺乳瓶を嫌がり完全母乳。
相方は仕事が忙しく、常にいない。
重い体にムチをうって
なんとか家事と育児をこなした。

けどある朝
カーテンを開けようとしたら体が硬直して動かない。
自分の意思とは関係なく、カーテンを握り締めたまま動けない。
体が一日が始まるのを拒否している。
朝がくるのが恐怖でカーテンが開けられない。
ここで初めて

「私はヘンだ、
これはフツウじゃない、
病院にいこう」

と、ようやく自分の状態を自覚したのです。
(遅すぎ)


病院に行くとあっさり
「産後のウツです。お母さん、頑張りすぎです。
全力で休んでください。」
といわれ、大号泣。
保健所へ行き、保健婦さんに
「うん、うん、つらいねーお母さん頑張ったねー
心が悲鳴をあげてますよ、もっとゆったりして。」
と慰められてまたまた大泣き。


その後、極力廻りの手を借りるように心がけ、
ホルモンバランスが整うとともに
あの、不思議で不快な症状は少しづつ消えて
次女が1歳になるころには無事回復。
意地っ張りで人に頼るのがニガテ、
なんでも全部自分でやろうとする性格が原因か…
責任感の強いヒトが陥りがちなんだそうです。
みなさん、産後は徹底的に手抜きしましょう(笑)



今でも嫌なことや辛いことがあった時
朝、カーテンを勢いよく、しゃーっと開けると

「カーテン開けられる、うん、私、大丈夫。」

って思うことがあります。

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